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朦朧たる次世代と中期展望 2016E3

今年もゲーム業界最大のイベントが終了した。
2016年のE3はSIEとMSがそれぞれの立場の違いを明確にカンファで示した事がもっとも興味深い事に思えた。そして新しいフェーズに入ろうとしているが、その先は現世代機登場の時とはことなり見通しづらい様に個人的には感じられた。

ゲハの観点から見た時の最大の話題は299ドルのXボックススリムでもPSVRでもなく、新ハードスコーピオンの予告だろう。発売は2017年末の予定だ。
スペックは、ゲームマニアが夢想するぼくがかんがえたさいきょうのゲーム機といった趣き。そういうには現実的すぎるかもしれないが。
問題はスペックではない。なぜ2017年末のハードとスペックの大枠を発表したかだ。

まず現実問題としてXBOX1の販売実績は良くない。全世界出荷ベースではすでにPS4にダブルスコアをつけられているし、北米についてももれ伝わる恒常的なディスカウントを持ってしても、販売実績はやっとやや劣勢という所だ。ディスカウントによる台数の嵩上げは、大数的に見た時のハード稼働率の低さに直結している物と想像できる。

普通早い時期に新ハードを発表することは現行ハードの勢いを削ぐことになり、愚策である。しかし上記の様な状況ならば、もともと悪いのだから今更、という考えはありえる。しかし現行機にとってマイナスであることには変わらない。

ではMSが何故このような挙にでたのか。それはPS4NEOの存在であることは間違いない。PS4NEOの何を恐れたのか。それはおそらくスペックではない。

MSにとってXBOX1はWiiUほどではないせよ、最早黒歴史だ。よってさっさと幕引きして、次世代で仕切り直したい所だろう。しかし現行世代機が登場したさすがに間がなくその機運は限りなく低い。

そうした中でSIEはPS4NEOを計画していた。MSとしてはPS4NEOが売れることは許容できない。PS4世代のままで徐々にマシンスペックが上がっていくという事はSIEにとってインストールベースがあるPS4のメリットを最大限活かせることに他ならない。PS4NEOが成功すれば、スマートフォン端末の様に2-3年スパンでPS4NEO(その時はもはやPS4と名乗る必要すらないかもしれない)が出し続けられ、PSNを核としたのエコシステムの囲い込みが完成してしまう。(初代PS4をいつ切るかは、PSNのオンライン接続率が切ることを許容できる一定の水準に達した時でいい)皮肉なことにXBOXが推進した、CSゲームハードのPCとのマルチを前提した開発の親和性は性能の異なるハードに対して異なる仕様で対応することを容易にした。4Kゲーミングが熱望でもされない限り、対応は容易であろう。

この構想が結実すれば社名がSCEがSIEに変わった意味をこれだけ雄弁に示す事はない。MSが欲してやまないガラガラポンも封じられる。その可能性をMSは酷く怖がったのではないか。

MSは言いたいのだ。PS4NEOのような段階的なアップグレードは中途半端だと。見なさい、1年ちょっと待てば、ゲーマーの夢をかなえるようなスペックが手に入る。次世代機と変わらない大変革が待っている。だからPS4NEOは見送りなさいと。

しかしこの囁きには一つの前提がある。スコーピオンがCSゲームハードとしての標準的な価格、399+-50ドルで提供できるという前提だ。私はハードに詳しくないがおそらくこのスペックは28→14nmへのプロセスシュリンクとそれを前提としたコア技術の進歩、さらにメモリ規格の広帯域化の進展を考慮しても無理だろう。しかし価格の発表は2017年のE3でいい。1年間はそれを隠してコアゲーマーに向けて悪魔の囁きを耳元で唱えることが出来る。

MSが現行世代機のマイナスを承知の上で買いたかったのは、PS4NEOの不発とそれに伴う、PS4のインストールベースを背景とした数の暴力でいつまで経っても世代交代のチャンスと機運が高まらないことを防止することだったのではないか。ゲームのルールは人間が作るもの、逆襲するためにはゲームのルールを無理矢理に(それでいて建前はもっともらしく)捻じ曲げないといけないという戦略の要諦をよく理解している。さすがは海千山千のアングロサクソンだろう。

しかし私にはそれがMSのできる最大限の抵抗にしか思えない面がある。なぜならば速いガラガラポンが出来たとして、MSがそれを活かしきれるかが良く分からないからだ。
ハードの大枠を発表してしまった以上、ライバル会社からすれば、どの程度の価格で、どのようなゲームが開発されるかを想定するのは容易なことだ。相手の手の内を分かった上でこちらも手が打てる。これほど戦略的に優位なことがない。

しかも2017年末の発売ではスコーピオンがとても399ドルで出せそうないならば尚更だ。MSとしてはXB360でアーリーアダプターを首尾よく捕まえXBOXの失敗を取り戻した成功体験があるからだろうが、個人的にはそんなに易しい話ではないと思う。

XBOX360がなぜ成功したか。それはゲームハードとしてのPS3の失敗という敵失に恵まれただけでなく、価格もHDD無しモデルを299ドルに出来たなどの適切なスペックを適切な価格で提供できたことが大きい。そしてその原資を提供したのは今より倍は速かった半導体シュリンクのお陰だ。今回はそのどちらも無い。

それだけでも大きいが個人的にやや疑問に思っているのは、スコーピオンが出たとして、それを生かすゲームが登場して、ゲームファンが熱狂するかが見えないことだ。

PS4世代はその点では明快だった。XB360/PS3世代はゲーム開発が完全に欧米主導となり、欧米文化圏が望むゲームをマーケットを含め自分達でほぼ自給自足出来る様になった。日本では衰退だが。欧米にとってはゲームルネサンスといっても過言でもない状況だった。この世代にたくさんの人気IPが生まれた。

日本でFC→SFC、PS1→PS2の世代交代があっさり行われたのと同様にPS4世代は、彼らがPS3/XB360世代で築き上げたIP群がその勢いを保ち、ユーザーもそのIP群が進化することを楽しみしていた。その点で世代交代に関してメーカーとユーザーの利害が一致していた。だから私もPS4発売前によく言われた据え置き限界論には全く与しなかった。

しかしゲームは嗜好品であり2世代10数年を過ぎれば、さすがにネタもアイデアも枯渇してくる。ユーザーも飽き始め、既存ゲームの価値体系に反発する空気が醸成される。果たしてスコーピオンがそれを跳ね除けられることが出来るようなソフトが登場するか。それが見えないのだ。

スコーピオンのハードスペックはいい。だがそれを手ごろな価格で提供できるアテがあるのか、そして、ゲーマーにどんなゲームが提案できるのか。おそらくMSも確固たる展望は無いだろう。
高いハードスペックさえ用意すればサードがなにかやってくれる。その程度ではないか。

おそらくSIEもその可能性は理解している。だからこそPSVRに期待を掛けているだろうし、それを慎重に見守っている。PSVRを出来ればじっくり育て、次世代機でも活用したいと思っているはずだ。VRの開発ノウハウは既存ゲームとは明らかに違う以上、すぐには追随できないし、成功さえすれば絶大な武器になる。任天堂がWiiでMSはキネクトでそうしたかった様に。

この懸念が現実になるかどうかは、今年と来年発売されるソフトがどう評価され、売れるかは一つの判断材料になる。現行世代向けの新規IPとして商業的に一定の成功を収めた、TITANFALLやWatchDogsの続編が登場する。ローンチの熱狂が過ぎた今でもフランチャイズ化に大成功するようならば、取り越し苦労かもしれない。SIEもHorizonを筆頭に、いよいよ大型IPが新規IPに本格的に移行する。これも目安としては好適だろう。

SIEはPS4の成功をPSNを核としたプラットフォームの成功に導き、囲い込みたい。そして次世代機のガラガラポンを一秒でも遅らせたい(究極的には無くしたい)その方が状況も見えやすく、選択肢も増える。MSは一秒でも速くガラガラポンを起こしたい。策源地は米国。本社を策源地に移したSIEは成功だろう。今後1年は、水面下での駆け引きが激しくなるだろう。

しかし今回に関しては、どちらを選択するかの選択肢はユーザーが握っている様に思える。すくなくてもPS4世代のようなメーカーとユーザーの利害が一致するとは現時点では断言するには心もとない。

2世代10年を過ぎても、欧米が自身で作り上げたエコシステムを保ちながら安定的な成長に持ち込めるのか。それを中期的な視座で観測することこそがゲハという特異な趣味を楽しみにする方にとって、最大の関心を払うべきではないか。今の私にはそう思える。

そして観察しつつ、PS4で山ほど出る新作を楽しめばいい。中期は不確定に思えるが短期は現状を享受できる。これは非常に有難く素晴らしい事だと、つくづく思うのだ。

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