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任天堂決算ウォッチの答え合わせ&Q3決算の気になった所

もう決算の話はしない、と書いておいての手のひら返し。やっぱり数字好きなんだろうね。
面倒だから1から10まで全てグラフ化はしないけど。特別企画にいれないのは、すき放題書きたいから。

任天堂Q3決算が出た、Q1決算の時にアレコレ書いたが、実際どうだったのかの確認と、気になった所を書いておきたい。

まずは答え合わせからいこう。
以下のグラフはそれぞれのQ1からQ3時点での07-13年度までの進捗率の上限と下限を元に設定した上下限だ。それがどう推移したかが分かる。目標はQ3時点で設定された新目標だ。

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以前の記事で据え置き機は上方修正も見込める堅調さ、携帯機は破滅的と書いたが、結果を見ると据え置き機は概ねあたりで、携帯機は破滅的ではないのではずれ、ということになる。1Q時点ではNew3DSが発表されず織り込めなかったのが一番の理由。冷静に考えれば後ろに隠し玉あるな?と思うべきだったのだろうが、昨年の無謀なコミットメントの設定があったのでそれに引きずられたのは否めない。反省。任天堂も去年は冷静さを欠いていたか、ああいうコミットメントを設定せざるを得ないほど社内が揉めていたんだろう。逆にいえば進捗に大幅に適さない目標設定がされている時は、隠し玉があると考えればいいということだろう。目標から隠し玉の存在は推定できるのはありがたいかもしれない。

ただし、それでも携帯機に関しては、New3DSを投入しても目標を25%下回ったのは事実だし、通常25%も目標を下回れば、市場のシュリンクといっても差し支えはない。そういう意味では大意では正解ということになり、なにやら玉虫色の結末だ。

もう一つこのグラフからいえるのは、任天堂のゲーム市場におけるプレゼンスが低下する中で任天堂ユーザーのふるい落としが進んでいることを示唆している、ということ。要は全世界で年末商戦だけ任天堂を買う層が、過去の進捗の前例を打ち破るほど、全体の売り上げ減の中で相対的に比重を増している、ということだ。

これは悪いだけの話ではなく、純化が進んでいる訳だけだからマーケティングに関しては以前より絞り込め無駄を減らせるというメリットもある。つまり、今後の任天堂はマーケティングに基づいた堅実な戦略を取るのか、岩田社長お得意の新規ユーザーの開拓にこだわるのかという戦略上の岐路に差し掛かっているともいえる。

Q1Q2の据え置き機の上限がやたら上に触れているのはなんで?という方もいると思う。これはWiiUローンチ年のQ1,Q2は当然実績がよくないので、通年の結果からすると進捗率が下がるからだ。その補正やると都合の悪い所はジョガイジョガイとかやっぱり狂信的GKだとか煽る人が出るだろうと思ったからしなかった。PS据え置き機ではやったのはさすがにそれで狂信的な任天堂信者認定する人が出ないだろうと思ったから(この処理やってないとPS据え置き機の上限の想定はとんでもない高い数字になっていた)。

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次の表はQ3時点での過去の進捗率から上下限の推定をグラフではなく数字にしたものだ。これを見て違和感を感じるのは私だけだろうか。

全般として、据え置きハード、据え置きソフト、携帯機ソフトについてはかなり保守的な見方をしている。保守的ではあるが、DS/Wiiブーム終結後の進捗率は概ね下限方向であるため妥当な予想だと思う。問題は携帯機ハードだ。もちろん来月にNew3DSが欧米ローンチを迎えるからというというのはある。しかしそれならば携帯機ソフトの目標設定が低すぎるように思う。Q3終了時点での新目標に対する進捗率は87%というのは、07-13年度の中で最も高い進捗率だ。目標設定を見る限り、欧米でNew3DSが一定数出荷できるというのが任天堂の予想(決算作成時点ですでにNew3DSの受注を受けているだろうから、この出荷予想は真っ赤な出鱈目ではないだろう)からすると、ソフトの目標が低すぎる。普通ハードが売れればソフトも一定数つれて売れるからだ。

ここから考えられるのは
1、任天堂の携帯機ソフトの出荷目標が保守的過ぎる=この場合は上方修正の余地がある。
2、任天堂はNew3DSが買い替え需要中心と見ている。これだと予想の見解の違いの範囲。
3、任天堂はNew3DSの小売受注が過大すぎると判断している=つまり出荷はするが、実際にはそれほど売れず売れ残る。

3については2013Q4の2DSの前例もあるし、WiiUの2013Q1のマイナス出荷の実例もあり、ありえない話ではない。もちろん年末商戦ではないのでそれほどボリュームはないので、仮にそうだとしても破滅的なことにはならないが、2015Q1時点の進捗率の波乱要因にはなるかもしれない。

もちろん1である可能性も充分考えられる。その場合上方修正が見込めるので、全体としては決算を大きく揺るがすほどのことではないかも知れないが、株式をやっている人は相場のチャンスになるだろう。

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次に3DSやWiiUの軟調や大失敗を背景とした異常な棚卸資産だが、これは(おそらくWiiUの生産停止を受けて)急激に改善に向かった。Wii/DSブーム時代の数字を割り引いて考えれば概ね妥当な水準に戻りつつある。

それ自体はいいことだが、問題は来年だ。WiiUの在庫の消化は昨年度WiiU在庫分の逆鞘を引き当てたことを考えると、何も対策しないとWiiUの原価率は再び悪化してしまう。一方、在庫が消化できれば塩漬けだったWiiUのハード戦略に柔軟性も生まれる。例えばゲームパッドを見捨ててコストを引き下げて低価格化、数量を追う戦略だって出来なくはない。vitaと同じくグローバルで見たとき、WiiUは明白な失敗機であり、それだけに数量を背景としたシュリンクの道は閉ざされている。WiiUのどう扱っていくは任天堂の腕の見せ所だ。

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一息や改善の兆しが多い任天堂の諸表の中で、遅遅として進まないのは販売管理費のリストラだ。欧州会社の整理やクラブニンテンドーの休止程度では減少する売上に全く追いついていない。12年Q3時よりも販売管理費は重いのはさすがにどうかと思う。事実、売上に対する販売管理の比率は未だに上昇している。
コレについても岩田社長のリストラ拒否の姿勢が明白に数字として反映されている。任天堂はありあまる保有資産があるのだから支えられるというのは事実だ。

問題は任天堂の売り上げ減少を本当に食い止められるか、そして、その中で原価率を低く維持できるかという問いに未だに回答できていないことだろう。原価率を低くするということはすなわちハードの利益率を高く設定するということ同義だ。ゲーム機を電子機器の一種としてみれば、電子機器本体の利益率は軒並み低下している。例外は圧倒的なブランド力と独自のエコシステムを構築し、ハード設計に対しても一定の能力を持つアップルだけだ。ジョブズが築き上げたような資産を岩田社長に作ることができるか?皆様はどうお考えだろうか。

以上の様にいろいろと述べてきたが、来年の任天堂は3DSが下げ止まるのかという点、WiiUをどうしていくかという点、そして皆が既に忘れかけているQOLや新携帯ハードの仕込みがどれだけのインパクトがあるかという点だ。

任天堂にとっての強みがあるとすれば、売上が減少する中で、任天堂を必要とするユーザー層がかなり絞り込みやすくなったことだ。

個人的に注目したいのはWiiの堅調さだ。
これは何度か書いているがWiiUとWiiではハード価格が大きく異なり、低価格志向のユーザーをWiiUが巻き取れていないことを示唆するものだ。WiiUを見る限り、ゲームはグラフィックではないという岩田社長の主張は現在の任天堂購買層には事実だったといえるだろう。皮肉な話だが。グラフィックより買いやすい価格が求められているなら、WiiUの値下げ(アーキテクチャ上の事は分からないがタブコンを捨てれば容易だ)はこうして巻き取れていないユーザーを巻き取れるチャンスが生まれる。問題はWiiUハードを値下げしたとき、現在の逆鞘を引き当てた状態のWiiUの原価率が維持できるのかという点と、値下げをした場合それに見合う数量の増大が無いと、対昨年度で売上が低下してしまう、という点だ。そこをどう考えるかが来季の任天堂を占う上で重要だろう。

QOLや新ハードについては良く分からない。ただ水面下で仕込みをしている以上、来年度の販売管理費は高止まりするだろう。それだけに売上の維持は任天堂にとっての至上問題となる。

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ここで昨年度に掲載した任天堂の損益分岐のマトリックス表を再掲載しておこう。販売管理費を1700億としたが妥当かは議論が分かれるところだが、それほどの誤差でもないだろう。今年度は5500億で営業利益200億が予想だ。黄色で塗られているのが損益分岐点、青く塗っているのは2013年度に岩田社長が放言(もはやこの表現でいいだろう)した「任天堂らしい」利益水準だ。今の売上だけではガンホー並の収益率がないと到達できないのは一目瞭然だろう。現状の利益率(WiiUの逆鞘引き当てによるブースト分があって)でそれを達成するには36%の売り上げ増が必要だ。要するに新規事業で当てるしかないというのが現状だ。

売上の減少状態に歯止めをかけない限り損益分岐点の維持ですら、かなりの原価率の向上が無いと成し遂げられない。よって前述の通り、中期の任天堂のミッションは利益率の向上より、実は売上額が重要だ。本格的なリストラをする場合を行う場合は別だが。

今の任天堂の現状を株屋が解説するとすれば、健全な財務状況ではあるが、外貨資産が多いことからボラティリティのリスクが高く、本業を見た場合中期に渡って利益改善の余地があまりない、グローバリズムから取り残された低迷企業という所だろう。

グローバリズムに取り残されている事自体は必ずしも悪いことではない。その長所を中長期の展望でどう回答していくかがいよいよ勝負の2015年度で求められようとしている。

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