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非常に気になる、ロングテールにおける昨年比推移。

2014年の各社のQ2の決算が揃い始めているが、今回はマクロな視点から。

すでにご存知の様に、2014年においては、明らかにCSゲーム機市場の動向が厳しい。
一方岩田社長が述べたとおり、ダブルミリオンソフトの発生本数は大差ないというのも事実だ。

しかしゲーマー側の立場からこの手の話をする場合、
重要なのはそのような頂上のソフトではなく、毎週間断なく出てくれる中小型のタイトルがどれだけあるかだろう。
ゲームは嗜好品であることを考えると、さまざまなソフトが揃っていることは、選択肢として重要だし、それが継続的に続く売上本数で支えられているかも重要だ。

私は毎日評価数のチェックをしているが、最近気になるのは35日集計中に比較的短期間に評価数の伸びが止ったな、と思うソフトが感覚的に増えていることだ。
また売上ランキングを見ていても、TOP10よりも下位の本数が感覚的に減っているようにも思えた。

そこで今回はその感覚が正しいかを確認する為、50位までの本数を掲載している、アスキーメディアワークスの週間TOP50売上本数の昨年比を出してみた。

ネット上でTOP50までのデータ掲載を始めたのは2013年度(2013年4月から)なので、比較できるデータは7ヶ月間30週のデータしかないが、
2014年4月からの消費税増税という大枠の市場条件の変化を考えると、この比較期間は妥当だろう。

次にどの部分を比べるかだが、例えば週ごとに1位2位を比較しても意味が無いことは、すぐ想像がつく。なぜなら新作のある無しや規模で大きく変わるからだ。

しかしゲームの売上に関しては、一般的によくある、上位数本に売上が集中し、すぐに本数が落ち、ある一定の規模に達すると、なだらかに下落するというグラフ形態をしている。そしてそのグラフ形態が変わることが少ないし、なでらかに下落するので、その地点でデータを採取しても、それほどの誤差はないだろう。その部分はロングテールと呼ばれることが多い。
ゲーマー側の視点を考えると、ロングテールがどうなっているかを知りたい。
(全体の本数に関しては、ネットでググればすぐ数字が出てくるだろう。)

そこで50位までの区分を4等分し、12位25位37位50位の4地点での昨年比の比較をしてみることとする。グラフを掲載する。

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結果としては芳しくないとしか、言いようの無い結果になった。
4地点どの売上も昨年比で下落傾向にあり、12-37の3地点に関しては25-50%まで下落している週が珍しくない。50位も安定して25%を下回っている。

4地点における、30週のプラス週とマイナス週は以下の通りだ。
また昨年に対する本数がプラスとマイナスがランダムに決まるとすれば、コイントスの50%であるから、目安としてプラス週の期待確率の上限を掲載しておいた(信頼区間95%)

12位 プラス 11週 マイナス 19週 期待確率上限 56.1%
25位 プラス 11週 マイナス 19週 期待確率上限 56.1%
37位 プラス 11週 マイナス 19週 期待確率上限 56.1%
50位 プラス 08週 マイナス 22週 期待確率上限 45.5%

50位に関しては、すでにランダムではなく、傾向としてマイナスの週が多いといえる状況になっている。

さらに50位を見てみると、6/29日週以降は18週連続で昨年比を下回っている。
よってこの区間で同様の集計をしてみる。

12位 プラス 05週 マイナス 13週 期待確率上限 53.6%
25位 プラス 03週 マイナス 15週 期待確率上限 41.4%
37位 プラス 03週 マイナス 15週 期待確率上限 41.4%
50位 プラス 00週 マイナス 18週 期待確率上限 18.5%

見ての通り、3地点で期待確率の上限は50%を下回っており、6/29週以降の需要の減退は明らかだ。

皮肉なことに7月には妖怪ウォッチ2が発売され、9月には3DS版スマブラが、10月は新3DSとMH4Gが発売されている。
つまり、岩田社長の言うかきいれどきの期間こそ、ロングテール4地点での売り上げ減がハッキリ出ている。頂点のみを自慢されることは、ゲーマーであればあるほど皮肉であろう。

もちろん、今回の集計は全ハード込みの順位であり、マルチソフトは個別に集計されている。
個々のハード、会社によって影響は異なるだろうし、マルチソフトの場合、ユーザーの裾野が増えるケースと、個々で望ましいハードで買う最適化が強くでることもあるので、全体を推計するには考慮の必要が有るだろう。またDL本数についても合算されていない。
さらにこれは販売本数であるから、販売金額と一致している訳でもない。
これらを併せると、この数字よりは実態が酷くない可能性はある。

この市場減退の要因が何であるかは、このグラフでは説明できない。
ちょうど景気動向にも一致するが、減少幅がやや多いように感じる。
詳細な検討が別途必要だろう。

しかし大数観察として、中央値となる、25位以降の3地点の売上が6/29以降、有意にマイナスの週が多いという状況は看過できない。しかもそのほとんどが昨年比で25%以上減っているのだ。
それがロングテール部分とあっては、ゲーマーならばなおさらだ。

個人的に恐れているのは、ゲーム開発会社がこの数字をどう捉えるかだ。
ロングテールの減少は全体で見たときのCS市場の衰退を意味しているから、開発リソースの組み換えや、ゲームソフト自体の発売本数を減らす可能性も否定は出来ない。

これをPS4登場によるPS3のピークアウトや3DSのピークアウトによる一時的な減少ととるか、市場構造の変化を見るか。これはゲーマーにとっては非常に重要なことだ。

スマフォやオンラインゲーム、ソーシャルゲームの台頭やプラットフォームとしての携帯ゲーム機(世界ではすでに次世代機を出すことに意味があるのか、微妙な段階にきている。プラットフォームは日本だけでは成立しないのだ)への先行きなど、俗説として日本のCSゲーム業界への風当たりは厳しい。
そして各社の決算を見ていると、スマフォやオンラインゲーム、ソーシャルゲームの利益額はCSゲームをメインないし、多数扱う会社でも、一定かそれ以上の存在感を示し始めている。

なにより、ゲーム会社の経営者は必ずしもゲーマーにとって最良の決断はしないものだ。

ゲハでは昨日の3DSのロロナ発売に合わせて、プラットフォーム論争が再燃しているが、
現実問題として、全体で市場の弱さを示唆するデータが出ている以上、単なるプラットフォーム間のディスりあいだけでなく、今後のCSゲーム業界全体への中期予測や、
市場をどうテコ入れしていくかなどを論じる段階まできているのではないだろうか。

私個人としては、第一感として、2014年がCSゲーム市場の本格的な市場減退期に入った端緒ではないか、という懸念が現時点では消せ切れない。皆様はどうお考えだろうか。


詳細の分析はしないかもしれませんし、するかもしれません。
興味と労力に見合うかどうかは、今の私には分かりません。
あとこのデータをもって私はCS市場全滅論を唱える気もありません。
ただ気になるデータだなとは思ってます。
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